岐阜県(中津川市)

馬籠宿 Magome-juku

日本橋から京都へと向かう県内最初の宿場町「馬籠宿」は、木曽11宿の最南端の宿場町でもある。約600メートルの急峻な地形にある宿場町は、全国的にも珍しく、坂の下の方には、敵の侵入を妨げるために街道を鉤の手に曲げた「枡形」も残る。両脇には格子のある民家、資料館、茶屋、土産物店など、江戸時代を彷彿とさせる家並みが連なる。「馬籠宿」と長野県にあるお隣の「妻籠宿」は、越県合併以前からそろいで観光する人も多い。「今後もお互いに連携しつつ、峠を抜けて、落合宿・中津川宿へと続く一体感をアピールしたい」と地元の人々は語る。平成21(2009)年には「妻籠・馬籠宿」が読売新聞の平成百景に認定されるとともに、ミシュラングリーンガイドブックでも一つ星を獲得。日本を代表する観光地として国際的な注目を集めている。

 

アクセス

公共交通機関

JR「中津川駅」から路線バスに乗り換え「馬籠」下車すぐ

お車

中央自動車道「中津川IC」から約30分



見どころ

見晴台

馬籠の象徴的な風景、眼下には東濃の山村、遠くは恵那山を望む展望台。島崎藤村親子の歌碑をはじめ、様々な碑が建っている。

馬籠観光案内所

蜂谷家跡。馬籠宿の中間地点にあり、各種観光パンフレットの設置、馬籠宿、木曽路観光、及び馬籠宿周辺の観光案内所。馬籠宿~妻籠宿間の手荷物お預かりサービスの受付、完歩証明書の発行、熊よけの鈴の貸付も行っている。

藤村記念館(馬籠宿本陣)

藤村の生家であり、馬籠宿の本陣・問屋・庄屋を兼ねる旧家の跡。すべての作品、直筆原稿、周辺資料など約六千点を所蔵・展示。藤村が幼年時代に学習していた「隠居所」のみ、当時の姿のまま残っている。


脇本陣資料館

蜂谷家に伝わる鎧・生活道具などの遺品、古文書の展示のほか、大名が利用した上段の間を忠実に再現している。入り口には、俳人山口誓子の句碑がある。

諏訪神社

木々に囲まれた細く長い参道が神秘的。昔ながらの村社の境内には、島崎正樹記念碑がある。

正岡子規の句碑(サンセットポイント)

『桑の実の 木曽路出づれば 穂麦かな』

この句碑が置かれた場所は、眼下に開けた棚田や中津川市街、さらには恵那峡、笠置山が一望できる。夕日が美しいことで知られ、信州サンセットポイント100選にも選ばれている、ウォーカーたちの休憩ポイントでもある。



落合宿 Ochiai-juku

「馬籠宿」と「落合宿」間にあり、うっそうとした木々の間を通る石畳の十曲峠。ここは、かつての難所の一つだが、中山道随一のウォーキングスポット「落合の石畳」として人気を集めている。「落合宿」では、足元に目を向けてほしい。道路の舗装が少し違うことがわかる。これは中津川市内を通るどの道が中山道なのかを示す特殊舗装で、「馬籠宿」から「落合宿」「中津川宿」へと、3宿を通して楽しむ観光客のために考えられた工夫。2種類の石を混ぜた舗装道路に沿って進めば、往時の道幅を感じながら自然に中山道を歩むことができる。

 

アクセス

公共交通機関

JR「中津川駅」から徒歩約30分

お車

中央自動車道「中津川IC」から約10分



見どころ

落合の石畳

全長840mにも及ぶ石畳。国の指定史跡となっており、そのうち約70mは当時のまま残っている。老朽化や石の持ち去りなどの理由もあり、当時のままの石畳が残るのは、東海道の箱根と、この落合の二か所のみといわれている。

医王寺(山中薬師)

狐膏薬で有名な別名山中薬師は、日本三薬師のひとつで虫封じの薬師として各地からの参詣も多い。奥庭の池の傍らには、松尾芭蕉が詠んだ『梅が香に のっと日の出る 山路かな』の句碑がある。

工房 LABORATORY

歴史ある建物を利用したクラフトショップ。旧街道の面影を残す落合宿の雰囲気を感じながら、日本の伝統的な藍染が体験できる。


落合宿本陣

井口家が代々本陣を務め、問屋・庄屋を兼務した。表門は文化12年の大火の後に、定宿としていた加賀藩前田家から火事見舞いとして贈られたといわれている。当時の本陣の建物が残っているのは、中山道すべての宿場町の中でも数少ない。

善昌寺

明治24年の道路拡張工事で寺の一部が道路となり、寺は東へ移設されたが、境内にあった松はそのまま残され、今の形になった。創建当時は山門を覆っていたことから「門冠の松」、現在は、「路上の松」と称されている。

落合の棚田

落合宿を取り囲むようにして広がる棚田は、ウォーキングの途中でふと周囲を見渡すと現れる。高低差がある棚田は、裾野から見上げた様子とか見方から見下ろした様子の二つの景観が楽しめる。



中津川宿 Nakatsugawa-juku

中津川宿には、かつて30軒ほどの旅籠と多くの豪商が軒を並べていた。裕福な商家の象徴「うだつ」を有する古い家が現在も残り、「商人のまち」の趣を感じさせる。「商人気質」は、今も脈々と受け継がれている。「かつて、毎月3と8の付く日に六斎市と呼ばれる市が開かれ、にぎわった」と聞けば、平成20(2008)年の春から、毎月第1日曜日に、「中山道中津川宿六斎市」を復活させ、「和宮が召しあがった料理(御膳)の文献が発見された」と聞けば、市内の料理人たちが御膳を忠実に再現した。さらに菓子組合では、旅の道中に食されたといわれる御菓子も作った。商人気質の行動力と実行力は、何代にも渡って、しっかり息づいている。

 

アクセス

公共交通機関

JR「中津川駅」から徒歩約5分

お車

中央自動車道「中津川IC」から約5分



見どころ

茶屋坂の高札場

当時、幕府の決まりを庶民に知られる掲示板の役割を果たしていた高札場。飛騨街道との交差点となる場所にあった。現在は復元されたものが建てられている。

にぎわい特産館(中津川市観光センター)

中津川の銘菓や野菜、周辺のお土産などがそろうローカルマーケット。中津川は栗きんとんで知られ、シーズンには15店舗の栗きんとんが販売されている。

中山道歴史資料館

中津川宿脇本陣跡地に建つ史料館。館内では中津川宿の歴史を資料展示しています。建物の裏手には中津川宿脇本陣の一部、土蔵と上段の間が復元されている。


本陣跡

中津川宿の本陣を代々務めた市岡家は、少なくとも奈良時代から続く、中津川の中でも最も古い系譜とされている。

白木屋

江戸時代の面影を残す建物。中二階には梯子をかけてのぼり、鉤にかけてしまうことができる4畳ほどの部屋がある。現在は無料休憩所として使われている。

明治天皇茄子川御小休所(篠原家)

加賀前田家の重臣・篠原一族が当主。皇女和宮や明治天皇が御小休した建物が現存し、休憩した部屋、厠、表門などが当時のままに保存されている。